こっちも合併か。

 
近鉄オリックスが合併。
http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200406/bt2004061401.html
 
とうとうここまで来てしまいましたね。
ラージミドル氏はじめ、両チームファンの嘆きが聞こえてきそうです。
某黒いアフォ球団のオーナーが事態の収拾に乗り出すなんて話も出ておりますが、
そもそもここまで追い込んだのはあんただろ。
球場を開けておけばファンが入り、グッズを買いあさり、テレビの放映権が入る。
こんな球団、某黒球団と我等が阪神、地元中日、九州帝国の福岡ダイエーくらいでしょう。
必死になってスポンサーを探し、ようやく今元気な企業(アコム)を見つけたのに、それにダメ出しをし。*1
必死になって知恵を絞り、自前の球場を持たない故に球団のネーミングライツを売ろうとしてもダメ出しをしたり。
結局最悪のシナリオを迎えてしまいました。
 
なんでこんなことになってしまったのか。
いろんな所に原因はあると思います。
例えばFAの導入・メジャー流出阻止による年俸の高騰。
なぜメジャーの球団はあんなに高額な年俸を支払える*2と思いますか?
理由は簡単。本当の意味でのフランチャイズ制と金がかかるところを集中させているからです。
まず、金がかかるところを集中させているとは?
アメリカのドラフト制度は完全ウェーバー制です。
要するに、前年の最下位チームから選びます。くじすらありません。
だからものすごいスーパースターは前年下位に沈んだチームに行く可能性が高くなります。
過去にあった悲惨な事件は数少ないわけです。もちろん拒否する選手はいますけどね。
その分、裏で使う金は減りますね。親の借金を肩代わり・・・とか、数億円裏で積まれて・・・とか。そんな噂も出てしまうわけです。
もちろんその分FAまでの年数が短いです。それでも、新人でもベテランでも、すべての選手が集中してしまうというようなことは起きていません。
新人を上手く使うことに定評のあるオークランドアスレチックス、逆にFAで選手を集めて勝とうとするニューヨークヤンキース。どちらもそれぞれの手法として確立されています。
 
では、本当の意味でのフランチャイズとは?
これも大リーグの例を見てみましょう。
例えば、日本では非常にメジャーなシアトル・マリナーズニューヨーク・ヤンキース
この2チーム、日本にいるとあたかも全米で大人気のような報道をされていますが、そうではありません。どちらもその地方では絶大な人気を誇っています。しかし、外に出ればそうでもありません。サンフランシスコでヤンキースに声援を送るなんて、偉大な記録が達成された以外考えられません。
ましてや、どこの球場に行っても半分はどこかのチームのファンなんてことはあり得ない話だと思います。
それだけどこかのチームが突出してしまったらどうなるか。
サンフランシスコのパシフィック・ベル・パーク*3内の売店でうっているのはすべてジャイアンツのグッズでした。
市内のスポーツショップには他のチームのものもありました。
日本からの観光客が相手と思われる店にはイチローグッズがあふれていました。
テレビをつけた時、他のチームの中継をやっているなんて考えられません。
ESPNのスポーツニュースだけが他のチームの話題をしています。
地元のスポーツ新聞は地元のチームを大きく取り上げます。
すなわち、サンフランシスコに暮らす人にとっては野球チーム=サンフランシスコジャイアンツであるわけです。
日本では、私のようにお膝元に中日ドラゴンズ名古屋グランパスエイトがあるにもかかわらず阪神タイガースやらジュビロ磐田に夢中だったりする人は珍しくありません。
なぜでしょうか?
それは、強いチーム=注目されるチーム=目立つチーム=好きなチームとなる可能性が高いからです。
見たことないものに興味を示すことはあっても、見たことないチームのサポーターにはなれません。
私のいる地域では地元のテレビ局が中日戦を中継します。
グランパスの番組を放映します。
プロ野球団のない新潟ではアルビレックスの人気が高いです。
サッカーに関してはだいぶフランチャイズあるいはホームタウン制が根付いてきたようです。
プロ野球は、それが追いついていないのに年俸だけが走ってしまっています。
根っこの無い木がどれだけ花を咲かせようとしても、すぐ枯れる運命にあるのと同じです。
40億の債務超過のチームが5億の選手を雇う。無理があります。
しかし、同じ土俵に10億出せるチームがいるわけです。
海の向こうには15億出せるチームがいるわけです。
 
一リーグ制とか言ってますが。
「球団経営」しか考えられないようなら、どんどん同じことが起きてしまうでしょう。
いっそ4チームくらいで勝手にやれば?
あるいは、紅白戦だけ130試合やればいいじゃない。
 
昔は、「野球=スポーツ*4」という時代が確かにありました。
多様化した現在、外に向いた目をもう一度向けさせるほどの魅力は、今の日本プロ野球には無い。そう思ってしまいます。

*1:間違ったことを言ってないとも思いますが、それにしても・・・

*2:実際倒産寸前の球団はありますが

*3:当時。現在はSBCパーク

*4:あるいは娯楽